国際研修への道のり①「募集要項」はとっても重要!

今年の国際研修には、12か国から28件の応募がありました。

これから8月末まで、選考や研修の準備の様子を折々にブログでお伝えしていきます。

今日はその第一弾として「募集要項」について書きます。

※アフガニスタン、バングラデシュ、インド、ネパール、パキスタン、スリランカ、モンゴル、カンボジア、フィリピン、タイ、東ティモール、ベトナム

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募集要項は、応募者にとっても主催者にとっても重要です。なぜなら・・・

 研修の目的や期待される参加者像が明記されているので、応募者自身が

「自分がこの研修にふさわしいか」「この研修は自分が求めているものか」を判断できます。

 研修の期間や費用負担が明記されているので、応募者は必要な準備や調整ができます。

 参加条件や選考基準が明記されているので、公平で透明性のある選考を行うことができます。

 応募者は募集要項に書かれたことを念頭に応募書類を作成できます。

主催者側からすると、質の高い応募書類を集めて、質の高い選考ができるということ。

それはつまり、より質の高い研修が実現するということ。だから募集要項はとっても重要なんです。

 

「国際研修の募集要項には何が書かれてるんだ?!」と気になったでしょ?

では、あらましをご紹介します。

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テーマ: 参加型アプローチによる住民エンパワメント ~持続可能な地域開発をめざして~

日 程: 2025年8月25日~9月28日(5週間)

会 場: アジア保健研修所(AHI)

参加者: アジア地域で地域保健や地域づくりに携わる人、10名まで

使用言語:英語

1.テーマの背景 ---------------------------------------------------------------------

「2030アジェンダ」をはじめとする国際的な開発政策は、

地域住民の主体性と多様なステークホルダーの連携の重要性を強調しています。

つまり、地域住民こそが社会をつくる原動力であり、NGOの役割はその能力向上を支援することです。

2.コース目標 ---------------------------------------------------------------------

コースを通じて、研修生は視野を広げ、実践的な知識とスキルを高めます。

その結果、住民組織が地域課題に取り組むために必要な能力向上を

適切にサポートできるようになることを目指します。

研修生はコース開始時に具体的な目標を設定し、終了時には、

コースで学んだことをどう使って住民組織をサポ―トしていくかのか、それぞれが計画を立てます。

3.コースの原則 ---------------------------------------------------------------------

■ 外部講師による理論的な講義はありません。

研修生自身が学びのリソースとなり、経験に基づく知識やスキルを共有します。

■ 研修生は、自分の学びだけでなく、仲間の学びをサポートする責任を持ちます。

■ 効果的な学びには、思考―感情―行動の3つが一体となることが必要です。

■ 学びのプロセスそのものが学びの内容となります。

4. 研修方法 ---------------------------------------------------------------------

■ 参加型アプローチ

研修生は、コースの目的、重点トピック、スケジュールなどを決め、実施・管理します。

セッションの設計、進行、モニタリング、報告、評価も自分たちで行います。

■ 異文化環境での共同生活

研修生は寮で共同生活を送ります。

インフォーマルな交流や調理や清掃などの協働を通して、親交を深め、共同体感覚を育みます。

■ グループ・プロセスを通じたファシリテーター・ラボ

研修生はファシリテーターとしての心構えやスキルを高めるために自己を振り返り、

お互いにフィードバックをし合います。

★生活とセッションはどちらも大切な学びの場、相補的な関係にあります。

その両方で研修生が協働することによって、個人とグループの成長が相乗的にすすみます。

5. 応募資格 ---------------------------------------------------------------------

応募団体は、地域住民や住民グループを、単なるプロジェクトの受益者でなく、

地域づくりの主体と考え、関わっていることが前提条件です。そのような団体は、

以下の条件を満たすスタッフ、または住民グループのメンバーを1名推薦できます。

■ 住民グループの組織化・育成に5年以上の経験があり、

そのなかで対応すべき課題がはっきりと見えている、すなわちコースで学びたいことが明確にある。

■ コース終了後、獲得した知識やスキルを用いてその課題に取り組むことにコミットしている。

■ 異なる意見や価値観を受け入れる柔軟性や寛容性、前向きな姿勢、チャレンジ精神がある。

6.参加費など ---------------------------------------------------------------------

基本的に参加費は無料です。しかし渡航にかかる費用の一部

(パスポートとビザの取得にかかる費用、自国内交通費、航空運賃の半分)は応募団体が負担します。

7.応募方法 ---------------------------------------------------------------------

応募用紙に必要事項を記入し、団体のパンフレット・事業報告書・会計報告書とともに

AHI宛てにメールで送付する(締切:4月9日)

8.選考方針 ---------------------------------------------------------------------

多様でダイナミックな学び合いのグループをつくる要素を考慮して選考を行います。

研修コーディネーターが全ての応募書類に目を通したあと、

応募者の経験やスキルについて再確認するため、オンライン面接を行います。

 

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さて「募集要項」が期待どおりの働きをして、

参加の意志や準備が整った人から、質の高い応募書類を集めることができたかな?

来週から応募書類を読み込んでいきます。