声をあげる

これもしばらく前にみたドキュメンタリーの話。

タイトルに「声をあげる」とあった。何かな?

と思ったら、国境なき医師団のこと。ちょっと

結びつきにくいような、、、と思いながら見始めると、

その活動の始まりが紹介された。

 

1967年ナイジェリアのビアフラが独立を

宣言した際、政府軍が人びとに対して非情な

暴力を行使した状況において、フランス人医師が

抗議の声をあげた。この「声をあげる」ことなし

には、国境なき医師団の活動はあり得ないと

語られていた。

 

AHIの会員で何度か医師団の活動で各地に派遣

されたKさんも、内線下のスリランカでの経験として

傷ついた人びとを前に、真実を伝えなければ、

すなわち起きている政府軍の暴力によって人びと

が傷つき、亡くなる事態に声をあげなければ、

この状況は変わらない。それをすれば、非情な行為を

避難すれば、医療活動ができなくなる。いのちが

救えない。このジレンマの中にあったと話されている。

 

大きな暴力や抑圧を生じさせている構造を

変えるには、まず「ここでこんなことが

起きている!」と非難の声をあげなければ

始まらない。しかしそこには、多くの場合

苦渋の選択がある。それを前に何ができるか

途方にくれる。ただ、それを起こしている、

また支えている何重もの層になった構造を

見ることをしっかりしたいと思う。

職員 はやしかぐみ

 

★国境なき医師団写真展開催:

名古屋千種区の星ヶ丘テラス3階コミュニティルーム

4月15日(土)13:00~18:00 、4月16日(日)10:00~16:00

写真:スリランカ北東部のトリンコマレ―にて。

(2017年スリランカの元研修生 によるリユニオンセミナー開催時)