年に一度の花蜜配布会

平野部に比べ、心なしか気温も低めの日進市南山。AHIの前では桜が今は満開です。

桜の話題も度々ブログされていますが、少し見方を変えて。

桜は開花から2週間のうちに花を散らしてしまいます。ただし、花がつくと、一斉に咲き誇る様は、視覚的にも印象的。年のうちほとんどをあの黒い幹でたたずんでいるのですが、はかなくも華やかに咲き誇る記憶からか、他の季節も愛着を持って人びとに愛でられる樹木です。

ソメイヨシノは人為的につくられ、自然受粉で増えるわけではないそう(花蜜はほとんどでないのだそう)ですが、累積温度が600度を超えると一斉に開花する原種のメカニズムは残しているようで一斉に咲きあいます。原種の桜はそうすることで、花の蜜と引き換えに、ハチや花粉を運ぶ虫に託す。すると虫たちは付近で咲き誇っている別の桜の木々とその花々を飛び交い、花蜜を受け取りつつ、花粉を届ける。花粉を届ける虫を仲人に、申し合わせた、桜の集団お見合いパーティー、といったところでしょうか。

それにしても幹の中ほど、まさかこんな老いた部分とおもうところまで、小さな桜花を2つ、3つと、力いっぱい咲かせる様子を見つけることがあります。黒い幹に対比された薄紅の花は、むしろ虫の目には見つけやすいのかもしれません。桜にとっては人の目よりも虫のお眼鏡にかなう事こそが大切。

街路樹の桜の木々が一か所で咲き誇り、まるで虫に他の桜の花への行き来してもらうに好都合な構図は、国道わきでよく見かける、違った自動車メーカーの販売店が集中している仕組みに似ています。購入を検討しているお客さんは、他社の似通った性能のライバル車と比較する(してもらう)ため、あえて近隣に店舗を置くそうです。自動車の場合と違い、桜の場合は一年で1,2週間だけの勝負。購入契約ではなく、「少しでも多く」足を運んでもらうことこそが大切、という違いはありますが。。    職員 ごんだ

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