エネルギー不足の影で起こり得ること―インドの現場から

イラスト:薪を使って調理を行う家庭のイメージ。(AI生成)
     エネルギー供給の変化は、
     人びとの暮らしにさまざまな影響をもたらす可能性があります。

今日(3/23)、インド南部、タミル・ナードゥ州の
スターリンさん(2019年国際研修修了生)とオンラインで話をしました。

現地では、LPG(液化石油ガス)の供給不足が深刻化しているとのことです。
LPGは、家庭や飲食店の日々の調理を支える重要なエネルギーです。

インドはLPGの約60%を輸入に依存していますが、
ホルムズ海峡を経由する供給の停滞などの影響もあり、
ガスシリンダーの在庫が不足し、休業する販売店も出てきているそうです。

そして、そのせいで、薪を使って調理をする人が増えてきているそうです。

これは一時的な対応のようにも見えますが、
LPG不足が長引いた場合には、さまざまな影響が出てくることも懸念されます。

例えば・・・
●薪は調理にかかる時間や労力を増やす。
●煙による健康への影響も引き起こす可能性がある。
●薪集めの負担は、特に女性や子どもに偏りやすい。

さらに、スターリンさんの活動パートナーである
少数民族の人たちの状況を考えると、別の懸念もあります。

少数民族の土地として認められている森林が影響を受ける可能性です。
落ちている枝を拾うだけであればまだしも、
無計画な木の伐採や、不注意による山火事が起きる恐れもあります。
そうなると、森林を守る少数民族と、薪を必要とする人びとの間で
軋轢が生じる可能性もあります。

今はまだこうした問題が起きているわけではありませんが、
今後の状況によっては、単なるエネルギー供給の問題にとどまらず、
「生活」「健康」「環境」「ジェンダー」、
さらには、地域内の人びと同士の関係や摩擦といった
複数の課題に発展する可能性があります。

こうした懸念が現実のものとならないことを願いつつ、
今後も状況を見守っていきたいと思います。


職員 髙田