全世界的、全生き物的であることを願って

今月中旬、AHIの役員のお一人が亡くなりました。以前から闘病中でしたが、社会との接点を大切にして、積極的にいくつかの組織の役を引き受けていらっしゃいました。告別式において、その方が所属教会の機関誌に寄稿された文章が紹介されました。クリスチャンホームに生まれ、その後30年近く教会を離れていらしたそうです。こんな文章が寄せられています。

「人間とはなんと思い上がった生き物かと思うようになりました。人智を上回る智というものが必要だと思うようになりました。そう思ったとき、今一度、神様に向き合ってみようと思ったのです。けれども、(中略) 無条件でキリスト教の神を受け入れるには困難な時代背景になりました。というのは、歴史の近代化そのものがもう、待ったなしで問われなければならず、その場合には西欧文明とその精神的推進力としてのキリスト教も問い直されざるを得ないと思うからです」

「信じるものは救われる としても私はそれが全世界的であってほしいのです。いな、全生き物的であってほしいのです。そんな兆しが人類の歴史に垣間見えるまで、私は父なる神に反抗する出来の悪い娘でいるのかもしれません」

本当に、全世界的・全生き物的に、平和と安らぎをと願わざるを得ない今年の終わりです。

そして、新しい一年の始まりがそれぞれの方にとってよいものとなりますように。

来年もどうぞよろしくお願いします。

職員 はやしかぐみ

*写真は、インド北西部ラジャスタン州にて。2023年4月。