北東インドで今

今年ようやく対面での国際研修を再開します。

参加予定者は、2021年と2022年のオンライン研修の

修了生とその活動パートナーの計10名です。

先週から招請書類を準備、発送しています。

 

そのうちのひとり、インドのアヤさんと

連絡がとれません。どうしたのかとネットで検索

してみると、彼女が活動するマニプール州では、

1週間ほど前から部族衝突のため、銃撃や

放火などが起こっている模様。

アヤさんたちの状況が心配されます。

マニプール州の東隣はミャンマー。州都は、太平洋戦争で

悲惨な結果をもたらしたとしてしばしば名前がでるインパールです。

 

同州の人口の約半数をしめる部族が行政の

優遇を受けることができる「指定部族」の認定を

求めているのに対し、他の部族の人たちはそのことによって

自分たちにとっての機会が奪われてしまうと脅威を感じている

ことから、今回の衝突が生じたようです。

どの部族の人も、インド社会でマイノリティー

として立たされてきた不利な立場を越えて、教育、就職などで

公平なチャンスを手にしたいと求める中、身近な

多数派の存在はやはり大きな脅威なのでしょう。

 

以前スリランカへ出張したとき、ひとりの元研修生が言った

言葉を思い出します。同国の社会の中で、イギリス植民地下で

労働力としてインドから移住してきたインドタミルに属する

その人は、「仏教徒は肉・魚は食べないと言い、

イスラム教徒は豚肉は食べないと言い、ヒンズー教徒は

牛肉は食べないと言う。私たちはどうやって食卓を

共にすればよいのだろう」と言いました。多民族・

多文化の社会にあって、少数派の人たちの切実な、否

悲痛な思いに触れた気がしました。

 

職員はやしかぐみ

写真はいずれも2019年4月マニプール正月のおまつりにて。