「イラストで知る アジアの子ども」でつながる心

今朝、神奈川県の日本語学校に通うスリランカ出身のAさんから電話がありました。

「『イラストを知る アジアの子ども』が欲しいけど、どこで買えますか?」

いう問い合わせです。

 

「イラストで知る アジアの子ども」は、

AHIが年2回発行してきた機関紙「アジアの子ども」の中から、

11か国、12の物語を選んで掲載した書籍で、2010年に明石書店から出版されました。

 

Aさんは、自治体が主催する国際交流フェスティバルで、

母国の紹介スピーチを(日本語で)することになりました。

日本ではスリランカという国がどのように紹介されているのかを調べるため、

公立図書館に行き、この本を見つけました。

ほかに3冊の本を借りたけれど、『イラストで知る アジアの子ども』は唯一、

一般の人たちの暮らしに焦点を当てている点が、気に入ったそうです。

 

スリランカは多民族国家です。

人口のおよそ4分の3をシンハラ人が占め、その多くが仏教徒です。

この本におさめられている

「シャンティ(平和)! みんなでつくろう ―スリランカ・ケゴール県から―」では、

少数派であるタミル人(殆どヒンドゥー教徒)やイスラム教徒の子どもたちの声が、

等しく扱われ、紹介されていることも、イスラム教徒のAさんにとって喜びでした。

 

AHIにとってもAさんのコメントは本当に、本当に嬉しいものです。

「アジアの子ども」は、それぞれの国・地域の子どもたちの、

リアルな日常や率直な声を伝えることを大切にしてきました。

それが母国スリランカを離れて、日本語習得に励むAさんの心に響いたのですから。

 

Aさんは「イラストで知る アジアの子ども」を自分の手元に置いておくだけでなく、

学校の先生や友人たちにもプレゼントしたいと言うので、10冊を送ることにしました。

本には納められていない、スリランカを紹介する「アジアの子ども」も一緒に。

職員 髙田