ピープルズパワーから36年

36年前、ピープルズパワーによって政権の座を追われた
マルコスファミリーから、再びフィリピンの大統領が誕生した。
いろんな方向から、その背景や日本の今後の位置取りなど
がさまざまに論じられている。
ひとつには、マルコス時代を知らない若い世代が人口の多数
を占めるフィリピンで、SNSを駆使した戦術が功を奏したと
言われている。また、1986年以降の政権が民主的な方向性
を打ち出しながらも、貧富の格差等もろもろの社会課題に
改善があまり見られず、「強い」大統領への期待が
継承されたとも。
以前AHIに勤務していたフィリピンの人が、
市民が自由を勝ち取ってきた母国の歩みを誇らしげに
語っていたのを思い出す。その歩みを重ねて今を迎えた
人たちは、今どのように見えているのだろう。世代を
超えてめざすものをどのように作っていくのだろう。
今の世界情勢を持ち出すまでもなく、たいていの歩みは直線とは程遠い。
だからこそ一緒に作っていくものかもしれない。
職員はやしかぐみ
写真上:ピープルズパワーのアイコンだった黄色のティーシャツ
写真下:1986年2月ピープルズパワーが起こってきたころのマニラでのデモ