メダカに考える

昨年の夏、近くの竹島水族館が、コロナで閉館中の支援を求めて
いろいろな発信をされていました。
いろいろなお土産のまとめ買い(開館の見通しがないまま、賞味期限が
迫ってしまうため)を何種類かがあり、私はネーミングに惹かれて
「わらしべ長者セット」を購入しました。
海の生き物を象ったサブレが数箱、わらしべ長者になるべく(笑)
あちこちに配りました。

もう一つが「メダカセット」でした。
時間を決めて、水族館の玄関での受け渡しでした。
確か1000円で15匹、赤いメダカや黒いメダカ、
背中が光っているものなど、とてもカラフルでした。
トロ箱(60×100センチ位。プラスチック製のセメントを混ぜるための箱)で、
育てていたスイレンや蒲を整理して、そこをメダカの住処に。

色とりどりのメダカが、スイスイと気持ち良さそうに泳ぐ姿に、
心癒されました。

そして、そこに入れていた水草を別のバケツに移して
しばらくすると、子メダカが泳ぐようになります。
わかってはいましたが、色とりどりのメダカの二世は錦鯉のようなまだら模様が
多いです。

そんなこんなで、昨年秋には全部で80匹くらいのメダカになりました。
こんなに増やしてしまっては、大変。
今年の夏は心を鬼にして、知らんふりをしようと思っていましたが、
子メダカの可愛らしさを思うと、どうにもあきらめがつかずに、
二つの瓶に、水草を一つずつ入れました。

写真のように一つの瓶には、大きさの違うメダカが
5~6匹になりました。大きさは4段階くらいあるので、
産み付けられたタイミングも4回ほどあったのかもしれません。

もう一つの瓶には、メダカが一匹だけ孵化しました。
でも、どれだけ待っても一匹だけです。
瓶という閉じられた空間の中で、一匹だけ。
ということはこの世界に自分だけということ?
それって、いいの?
見ているこちらが、次第に不安になってきました。
他者のいない世界って、どういうものなんだろう?
メダカって、世界をどう認識しているのだろう。

なんだか、私が耐えられなくなって、新しい水草に入れ替えて
みましたが、なかなか二匹目が見えません。
水草を三つくらい入れ替えた時に、やっと小さな小さな透けるような
子メダカが一匹泳ぐようになりました。
でも、先の一匹は底の方にいるらしく、一緒に泳ぐ姿は見られません。

癒されるつもりが、この宇宙の孤独に悩むことになってしまいました。

一方で昨年からのメダカたちは、私の気配を感じると
大きめのトロ箱のこちらの方に寄ってきて、エサを待っています。
ちゃんと学習能力があるんだと驚きながら、
メダカのお母さんになった気分で、うれしいです。

メダカを飼うことも一筋縄ではいきませんね。

職員はさだ