月から帰還の途中
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私の愛車、とうとう走行距離40万キロを突破しました。
高校3年生になる息子が生まれた時に買った車です。
自宅からAHIまで、片道40キロ。
今は東名高速道路を使って、遠距離通勤をしています。
20万キロを超えたあたりから、周りから「そろそろ代えたら」という声が
聞こえだし、30万キロを超えたころには妹たちから「いい加減にしたら」と
言われだしました。
一つには、うっかり者の私が、あちこちをこすった傷跡があるからなのですが、
私としてもいつまで乗れるのやら、自信もなかったので、
上から塗料を塗ってもらう程度で過ごしてきました。
一定のキロ数を超えると、私があきらめると、この車は廃車になるしかないと
考えるとなかなか踏ん切りもつきません。なんといっても赤ちゃんだった息子を
乗せてあちこちにでかけた思い出の詰まった車です。
そして何よりも、今も何も問題なく走ってくれています。
いつもお世話になっている修理屋さんは
「運のいい車だね。みんな長く乗ろうと思っても、そうはいかないから」
と言ってくれます。
30年近く前にスリランカで乗ったワゴン車(公共のバスとして走っていました)は、
助手席にマイナスドライバーが置いてあり(助手席に座った私はそれを持つように
渡されました)、なんだろうと思っていたら、シフトレバーとして、
ギアを変えるたびに、そのドライバーが差し込まれました。
メーターの前には蓮の花など、仏様のお供えが飾ってありましたが、
安全を考えると、「祈る気持ち」もさもありなんです。
あるボランティアの方にもうじき40万キロとお伝えしたところ、
自動車会社にお勤めだったその方のお連れ合いは、
「月に行って戻ってくるところだね」とおっしゃったそうです。
月までは38万4000キロ。
地球に戻ってくるまでは、果てしない道のりです。
でも、問題なく乗れるうちは、走ってもらおうかなと
思っています。
職員はさだ