色のある日常

広島出身の大学生が大学で他の土地に来て、周りの人と平和や戦争についての意識の差を感じて愕然となったとき、白黒写真をデジタルでカラー化する取り組みをしている人を知って、そこに希望を感じてともに活動するようになったそうです。その眼目は、カラー化すると、そこに確かに自分たちとそんなにも変わらない日常があったと想像できる、そして戦争とはそれが奪われることなのだと受け止められることと言います。

先日AHIにやってきた大学生は、「貧しい国の人を助けたい」から関心を持ったといいます。その気持ちは大切にしたいものの、その大学生にとってホープレスでヘルプレスな人たち、助けなければならない人たちとしか映っていないとしたら・・・ その人たちがどんなところでどんな大変さやどんな楽しみをもって毎日を過ごしているのかまず想像してほしいなと思います。

今日は沖縄での組織的な戦闘が終結した沖縄慰霊の日。80年を経ても自責の念から慰霊碑に行くことさえできないという人もおられるとか。その重さを思うと言葉もありませんが、昔も今も、ここでもあそこでも、人びとの優しい日常があったはずということを心に留めたいと思います。

職員はやしかぐみ