自分にできることを超えて
小学校6年生の社会科教科書(東京書籍)に掲載されたのを契機に地元の小学校とつながりを持てないか、小学校の子どもたちへの働きかけをできないかというところから、日進市の協力を得て2013年に小学校への出前講座を始めました。(教科書の掲載は残念ながら、2023年度で終了)従来、国際理解・異文化理解という面を出したものでしたが、昨年は「誰も取り残されない」社会をめざして国際的な格差また身近にある格差をゲーム手法で考えるようなものを行いました。
今年は、健康の定義で言われている「身体的に、精神的に、社会的に健全な状態であること」の3つ目で挙げられている「社会的に健康であること」を考えてみようと、新たなプログラムを開発。自分が「安心できる」場所や人との関係を考えることから、誰もが安心できる社会に思いをはせようというチャレンジングな企画を実施中。今週火曜日初めて近隣の小学校へおじゃましました。プログラムの後半は、去年はスリランカの研修生、今年はブータンの研修生のことを紹介する内容です。
さてその第1回。病気で体育の授業が他の子と一緒にできない子がこのクラスにいたらその子はどう思うだろうと投げかけてみました。そうしたら一人の子は「そんなの関係ない!!」と大きな声。その意味を聞いてみると、ルールを変えたりして一緒にできるという主張。なるほど、そんなことは支障にならないよという意味だったのか、結構スゴイじゃないと思いました。でも後でボランティアの人から受け取ったのは、「その子の立場になって想像力をふくらます」というところをもっと投げかけてもよいのではというコメント。なるほどその子が置かれている状況はときには、社会の制度や規則、法的な枠組みにも規定されたものであるかもしれない。私たちはついつい、自分にできることの範囲の中でのみ相手を見てしまうのではないか・・・と考えさせられています。
職員 はやしかぐみ
↓ 足元の秋