変化は何気ない風景のなかにも
車での通勤途中、小学生や中学生が学校に歩いている風景を見ます。ある日中学生の二人が楽しそうにおしゃべりしながら、私の車の横を通っていきます。ふと見ると、一人はスカート、ひとりはズボン姿。なるほど制服もジェンダーフリーになってきたんだなと思いました。近くの大学のお手洗いの入口にある表示も、以前は黒(か青?)と赤だった表示も今はどちらもシルバーに。気をつけてみないとどちらかなとわからなかったりして。
こういう変化の中でも不便や不都合を感じている人もいるのだろうと思いつつも、思い出したのが、ずっと前にインドの研修生が研修セッションの初めに紹介してくれたゲーム。「粘土ゲーム」と名のそれは、2人一組で相手を粘土と思って好きな格好をさせるというもの。恰好悪いとかなんとか少々騒ぎが起きたあと、彼女からひと言。「これは私たちそのものです。周りからこれはしてはいけない・こうあるべき等々言われ、押し込められているんです」
まだまだこれは遠い過去のものになったわけではないけれど、多くの人たちの声を集めて、少しずつ変化が確かに起きています。
職員 はやしかぐみ
*写真は、インド、タミル・ナド州。2023年10月。