ヘルス・アッセンブリー タイからインドへ 

上は、去年10月、インド南部のタミル・ナド州に元研修生を訪ねた職員が持って帰ってきたパンフレット。ヘルス・アッセンブリーとある。裏表紙にも見慣れた△が。人びとと政府とアカデミック。3つのセクターの協力があらわされている。中を見ると、ナショナル・ヘルス・アッセンブリー タイ・モデル とある。そして、ヘルス・アッセンブリーを主催するNHCO(全国保健委員会事務局)の名称も!

そのパンフレットやインターネットを見たり、出張した職員の報告からすると、2020年頃から国際金融機関である世界銀行の資金を得て、タミル・ナド州では、タミルナド保健医療システム改革という事業が取り組まれているよう。その中核が上述の三者の連携であり、また地方単位で、かつ州全体でヘルス・アッセンブリー(保健大会)の実施らしい。すでに行われた州全体でのアッセンブリーは1,000人も集まる大規模なものらしい。

AHIとタイのNHCOとのつながりは2008年にさかのぼる。一人の元研修生から「今NHCOというところで仕事をしている。初の全国保健大会という企画行うからAHIから来ませんか?」というメールが突然はいってきた。それを受けて職員一人、2008年12月の第1回に参加した。多様な関係者が健康課題を議論し、かつ地方での議論を全国的に集約し、課題解決をめざす。まだNGOと政府がそこまでの協力関係を持つことができない国もあるだろうが、将来的に役立つのではないかと、その後数年間、AHIが交通費を補填し、現地ではNHCOが参加費を持つ形で参加を希望する元研修生を募った。さらに2019年3月にはNHCOをがオーガナイザーに、6ケ国の元研修生と関連団体の人たちが集まったワークショップを行った。

そして今、インドのタミル・ナド州で同様の取り組みが始まっている。タミル・ナド州の人口は約6211万。タイの人口(約7170万)はその1.15倍。確かに規模は近いかも。

ちなみに、2019年国際研修の参加者オーさんは、現在NCHOで対外的な関係を作る部署にいる。彼女たちもタミル・ナド州の動きのことは知らなかったらしい。AHIから伝えたら、Very Exciting!(すごい!)

タミル・ナドの元研修生スターリンさんは、活動地域の少数民族の人が置き去りになれないよう、彼らの声をきちんと届けたいと、この動きへの期待はある。ただ地方レベルでの集会は、彼によると医療従事者が行政に設備や機材の充実を要望するに終始しているらしい。本来のねらいに照らし、また少数派が「人びと」のセクターから排除されることのないようなんとかしたいとスターリンさんは願っている。

タミル・ナド州の動きを詳しく知りたい方は、Tamil Nadu Health System Reform Program https://tnhsp.org/tnhsrp/ へ。

職員 はやしかぐみ

↓は、農村の住民を工場や農園の日雇い労働に雇うため、朝夕送迎するトラック。(タミル・ナド州 2023年10月)