思いやりはとても大切。だけど、、、

下の2つのイラストをご覧ください。どちらも「人権」で検索したものですが、

受ける印象がずいぶん違いませんか?

上は、人権 下は英語で人権であるhuman rights で検索して出てきたものです。

10日ほどまえに、『武器としての国際人権』(集英社新書)の著者の藤田早苗さんの講演会が日進市内であり、出かけました。参加者は70名近く。学生らしき人も何人か、、、。講師が「私、画像検索が好きで、、、」と冗談交じりにこの違いに言及されました。で、私も実際にやってみました。

その数日前に読んだ「国際人権ひろば」No.173(ヒューライツ大阪)では、現在の人権教育の課題が指摘がされていました。「~ これまでの人権教育は、社会的弱者に対して、「思いやり」「やさしさ」「いたわり」を持ちなさいと教えるばかりで、人権問題とは私的な人間関係の中で「心の持ちよう」で解決するものだと~(略)これでは社会システムへの関心が育たない」とありました。上述の藤田さんも「優しさ・思いやりアプローチ」と呼ばれる教育では、気持ちが向かうのは、自分が仲間だと感じている人、助けたいと思える人に限られてしまうと述べられています。

1948年第3回国際連合総会で採択された「世界人権宣言」の英語での名称は、Universal Declaration of Human Rights 。      Universal は、普遍的という意味。「世界」と訳されたことで、誰であっても、どんな背景の人であってもという「普遍的」という意味が薄まってしまったのでしょうか。

人権を根底に据えなければならない状況は、私たちの身の回りに日々起きています。社会の構造をとらえなければならない。同時に、その構造の中に自分自身もいることをあらためてとらえたいと思います。

職員 はやしかぐみ