「ゴタ・ゴー・ホーム」から「ラニル・ゴー・ホーム」へ

ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の辞任を求める人びとにより大統領公邸が占拠されたのが7/9。大統領は辞任を表明し国外へ脱出、そして7/20、新大統領が議会より選出されました。選ばれたのは、ラジャパクサ一派のラニル・ウィクラマシンハです。人びとは、「ゴタ・ゴー・ホーム(ゴタバヤ辞めろ)」から、「ラニル・ゴー・ホーム(ラニル辞めろ)」とスローガンを代え、更なる声を高めています。大統領選出の2日前に、スリランカの研修生プラディープさんがくれたメールをご紹介します。

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大統領を決めるこの二日間は変革への大事な時です。ですが議会というトップからの変革は難しいでしょう。現在3人の大統領候補がいますが、その一人は大統領代理(注・前大統領辞任から選出までの大統領不在の間、首相が大統領代理となる)のラニル・ウィクラマシンハです。抗議運動をしている人たちは、ウィクラマシンハが大統領になることをもちろん認めません。すでに、「ラニル・ゴー・ホーム」と叫んでいます。

ラジャパクサ兄弟はウィクラマシンハの庇護を得るためにも、彼が次の大統領になることを望んでいます。すでに議員への買収が始まっています。ウィクラマシンハ自身も、抗議運動を封じるため、大統領代理としての権力を行使し、警察にソーシャルメディアの規制を行うよう命じました。彼に不利な投稿をした人には、措置が講じられます。

若者たちは、この二日間、人びとへ運動に加わるようよびかけています。私も、みなとともに参加します。ウィクラマシンハが選ばれることは、この国の存続に直結する問題です。債務危機を脱するために必要な、IMFや世界銀行からの支援に直接に影響を与えかねません。
この大統領選がどうなるか、この目でしっかりと追っていくつもりです。

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若者たちの声は、今後どのようにスリランカを変えていくことができるのでしょうか。
そして、その若者たちを支え、ともにあろうとする研修生たち。
NGOスタッフとして、日本の市民として、彼らから学ぶことの多さ・大きさを、思います。

職員 清水

写真: getty imagesより