眼の前の人と 

キリスト教会のほかキリスト教基盤を持つ社会事業体でつくる

名古屋キリスト教協議会という団体があります。発足から

70年という歴史があり、AHIも加わっています。

「協議会だより」を年2回発行していますが、最新号に

名古屋地域の2つの社会福祉法人の代表の方が寄稿されています。

ひとつは、教会と教会員の方たちが生み出した社会福祉法人です。

下記のように、その始まりが書かれています。

『ある教会員が、三人の知的障がいの子」を持つ方との

出会いをきっかけに、「どうすればこの子らは一人の

人間として生きられるか」という問いが、他の教会員や

牧師にもたらされました。』

もうひとつは、1959年名古屋地域に甚大な被害をもたらした

伊勢湾台風の被災者支援に全国から集まったキリスト教会の

関係者で生み出された働きです。支援を受けた地域の人たち

に求められ、同時にその人たちとのつながりから、地域に

根をおろしたあり方を模索し、これまで続けてこられました。

 

また日進市内でこういう話を聞いたこともあります。

学習塾を開いていたところ、近くに住む学習障害を持つ

子どもの親御さんから相談を受けたところから、

活動を始めた。子どもたちが何か

社会に参加できること、主体的に活動できることを

模索しながら、活動をしてきた。

障がいについて何かバックグラウンドを持っていたわけでは

ないけれど、何ができることをと動き出したそうです。

 

多くの活動は、「〇〇すべき」からではなく、むしろ、

自分の眼の前に現れたことに対して、逃げずに、自分事として

「引き受ける」ことから、始められたのではないかと思います。

他人事という言葉に対して、「自分事」という言葉が最近

しばしば使われるようになりましたが、その重みや

それが伴うものの大きさをあらためて思います。

職員 はやしかぐみ

写真は、2018年バングラデシュで。