ラマさんからのスリランカレポート Gota, Go Home!

近年、中国からの借金で無謀な大規模開発を進め、採算もとれずに返済できなくなってしまったスリランカ。コロナの流行も重なり、現在、深刻な財政破綻に陥っています。さらに、ウクライナ危機による燃料価格の上昇で燃料不足が加速。連日10時間にわたる停電が続いています。

先日のスリランカの研修生とのZoomでの会合も、いつ停電になるかとヒヤヒヤもの。研修生たちによれば、今使える電力はもともと安定していなかった水力発電によるもののみ。物価も倍近くに値上がりし、人びとの生活は困窮を極めています。

そんな中、こうした事態を招いた現政権ラジャパクサ大統領の退陣を迫る人びとの抗議運動がスリランカ全土に拡大しています。上述の研修生たちも、自分たちの暮しもままならない中、各地で行われる人びとの運動を支えるために、忙しくしています。

先日ブログでご紹介したラマさんも、そんな研修生の一人です。
そのラマさんが数日おきに送ってくれた、人びとの抗議の写真とレポートをご紹介します。

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4月3日

スリランカでは、昨日から明日の朝6時まで非常事態宣言が出されました。多くの団体が、国中で、政権への抗議運動を始めたからです。
一方で、何が起こっているのか、理解しようとしない人たちもいます。自分たちさえよければすべてよしと考えているのでしょう。

抗議運動のスケジュール

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4月4日

昨日はたくさんの人が抗議運動を行いました。道路で抗議をしていたペラデニヤ大学の学生たちを鎮圧しようと、警察が放水銃を向ける事態にも。国中の人びとが「ゴタ・ゴー・ホーム(ゴタ、辞めろ!)」と叫んでいます(注:ゴタはラジャパクサ大統領の名前ゴタバヤの略。辞任を求めるスローガン)。
ラジャパクサの一族のみが高給の職につき、5人が閣僚の座にあります。地位を独占しているのです。

 

 

 

 

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4月12日

今日もまた、若者たちがコロンボで抗議を続けています。誰もが「ゴタ・ゴー・ホーム」と声を挙げています。ですが大統領はまだ辞めようとしません。内閣を組閣しなおしてなんとかしのごうとしています。

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シンプルな報告とたくさんの写真から、ラマさんの、怒りやもどかしさ、そして人びとの声と力に寄せる誇りのようなものも、伝わってきます。
ラマさんのレポートはこれからも続きます。

ラマさん

 

AHI 清水