疑問を抱え続ける


6月14日に開始したオンライン国際研修。
そのオープニングで、AHI設立のスト―リーを
紹介しつつ、研修生にとってインパクトのある話を、
とお題を担当者からもらった。うなって考えたのが、
以前、AHIが掲載されていた英語の教科書サンシャイン
(開隆堂出版)の一節。
「ネパールの人びとの健康を守るにはどうしたらよいか。
もう一度ネパールに戻ってきて手術をたくさんすることもできる。
でも本当にそれが一番いいことだろうか?」ドクター川原は
自問自答しました。
というくだりです。中学3年生用の教科書ですから、英語自体は、
シンプルです。でもここに本当に大切なことが詰まっていると感じて、
外部でお話するときしばしば取り上げてきました。
それが彼らにとっていいことなのだろうか?と問う姿勢。そして
その疑問を抱え続けて自分なりの答えを見つけようとすること。
 
ひとしきり私の話が終わり、質問がいくつか出ました。
バングラデシュのサルナさん。
「もう私たちは自分の疑問(自分が答えを見つけたいもの・
問題と思っていること)はわかっています。欲しいのは、
答えです。どうやって問題を解決していったらいいか、その
答えです。
 
たしかにどうですね、サルナさん。
確かな答えを早く欲しいと私たちは思います。
誰かがそれを示してくれないかな~と期待してしまいます。
 
AHIの研修では、「先生はいません。いえ、ひとりひとりが先生です」
と言っているのに、すごい先生がどっかにいないかな~と。
 
オンラインでそれぞれの場にいる研修生の人たち。
忍耐が要るからこそ、他の人たちの力を借りつつ、
他の人たちを支えつつ、そんな道のりに
なるようにと願っています。
職員 はやしかぐみ