カンボジアの小さなピースビルダー

2019年の国際研修参加者、チャン(Lay Chan)さん。カンボジアでお母さんたちのグループをつくり、栄養教室を開催したり、栄養ボランティアの育成をしたりしています。
活動的なNGOワーカーであると同時に、3人の息子を持つお母さんでもあります。
国際研修中の2泊3日の広島訪問では、
「保健ワーカーには平和づくりの役割があるんだ!」と気づいたチャンさん。

広島から戻った後の平和と健康についてのセッションでは、「私は、平和への思いを、家族や職場、そして友人たちや地域の人たちに伝えていきます」と話していました。
そして、広島での研修を受けいれてくださったANT-Hiroshimaさんにいただいた絵本のカンボジア語訳(*)を大切に抱えて、カンボジアへと帰国しました。
*『おりづるの旅』(うみのしほ作・狩野富貴子絵/PHP研究所)。
原爆の後遺症で12歳でなくなった佐々木禎子さんと、その禎子さんの死を悼み平和を願って「原爆の子の像」を建立した子どもたちの物語です。ANT-Hiroshimaさんは、その絵本を、ダリ語、英語、ネパール語、中国語、タガログ語、韓国語など22ヵ国語に翻訳し、世界各地に届けています。そのいくつかの翻訳には、AHIの研修生も協力しています。
そのチャンさんが8月6日の夜、私に送ってくれた写真がこちらです。

「今夜、一番上の息子が弟たちに、広島の絵本を読み聞かせているところ。この絵本はカンボジア語なのだけど、実は、彼はまだ文字が読めないの。だけど私が彼に読み聞かせていたものだから、お話をすっかり覚えてしまって。彼もこの本が大好きになっちゃって、とうとう自分が弟たちに話し始めちゃった。」
(原文)”Tonight my oldest son started to tell a story of Sadako to his brothers. This book is in Khmer. But actually he can’t read yet he just remember what I told him so now he continues to his brothers. he really like this story.”
 平和の種を、まず家庭から。チャンさんの平和づくりは、ゆっくりとですが、しっかりと、進んでいます。
職員 清水