平和の種まき人プロジェクト(パキスタン地元NGOワーカー育成参加型研修)

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AHI流の「中身もプロセスも参加者がつくる」参加型の研修を実施し、AHIで学んだ平和づくりの視点を通して、パキスタンの地元NGOワーカーのリーダーシップを育成します。

背景

参加型研修を通じて、平和づくりの視点を持った保健ワーカーを育てる=ヘクターさんの想い=

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2013年の国際研修の参加者であるヘクター・ニハールさんは、パキスタンのエイズ啓発協会という団体で、25年近くHIV/エイズの予防活動や意識向上、HIV感染者・エイズ患者の支援や権利擁護にとりくんできました。イスラム教徒が人口の97%近くを占めるパキスタンの中で、ヘクターさんは少数派のキリスト教徒。政治と宗教が密接に結び付いたこの国で、宗教の違いによる差別や迫害をうけながらも、異なる宗教の指導者に呼びかけ、対話の場づくりも行ってきました。
彼の課題は、エイズ啓発協会を今後どのように展開していけばよいかということ。
「HIV/エイズのとりくみで培ってきた経験を他の課題にも活用し、より広く地域の人々の健康に貢献したい。でもどうしたらいいか・・・」
そんな思いで、国際研修に参加しました。

AHIの国際研修に参加して得たヒント

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「参加型の手法を取り入れた研修は、これまで自分も行ってきました。でもAHIの国際研修は、徹底した参加型の研修です。異なる経験をもった参加者がそれぞれの経験をもとに学び合い、進行や記録などの役割を担う。研修の内容も進め方も参加者が作る。そしてその過程も自分の成長の糧になる。こんな研修は初めてでした。」
そういって、いつも謙虚にまっすぐに、他の研修生や日本の経験から学ぼうとしていたヘクターさん。
ついに国際研修の平和のセッションや広島訪問研修などから、あるヒントを見つけ出しました。
「対立が貧困や不健康を作り出す。対立が絶えない私の国でこそ、
相手を理解し、ゆるし、思いやる気持ちを人々の間に育てていくことが必要なんだ。」
そう考えた彼は、研修を受けるチャンスの少ない、パキスタンの地元のNGOワーカーのために、AHIのような参加型研修を行ったらどうだろう?と思いつきました。

そして、パキスタンで・・・

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国際研修後、さっそくパキスタンの地元NGOワーカーを対象にした参加型研修の開催にとりかかります。地元のNGOワーカーに、地域づくりの基本を学ぶ中で、日々の活動が平和づくりにどう貢献しているか、他宗教や多文化など背景の違う人々がどう協力していくかを、AHI流の参加型研修を通して感じ、考えてもらおうという狙いです。
 
 
 

研修の流れ

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協働パートナー団体

『AIDS AWARENESS SOCIETY (AAS)=エイズ啓発協会』は、パキスタン東部のパンジャーブ州にて、HIV/エイズのリスクにさらされているセックスワーカーやトランスジェンダー、ジプシーコミュニティ、薬物依存者、ストリートチルドレン、青少年、女性へのエイズ予防や啓発、母子保健の向上などを 行っています。これらの人々に共通する根本原因は、差別や貧困です。パキスタンでは、HIV/エイズの分野で活動する団体としては草分け的存在です。また、AAN(若者の声ネットワーク)という青少年組織をつくり、職業訓練や健康に関する教育を行ったり、自分たちの権利の為に学び活動するリーダーを育てたりしています。