久しぶりの対面ワークショップ!@名大大学院GSID

AHIでは、2年に一度、名古屋大大学院国際開発研究科(GSID)の夏期集中講義の講師を請け負っています。今年は8/1-5の5日間でした。大学院の講義ではありますが、ワークショップあり、小グループディスカッションあり、アイスブレイクあり、学生さんも役割あり、の、AHI「参加型」ワールド全開で展開します。

GSIDさんからいただくお題(講義名)は「教育とウェルビーイング」ですが、今年は隠れタイトル(?)を「To Learn is To Change(学ぶことは変わること)」とおきました。

最初に、学生さんは2つのグループに分かれて、「誰の」「どんな」健康問題を頭に置きながら考えていくのかを決めます(片方のグループは、日本の工場で働き事故にあったモンゴルの女性、もう一つのグループはエイズに感染してしまったフィリピンのストリートチルドレン)。そして、その人の健康問題を引き起こす社会的な問題をさまざまな視点・方策を用いて分析し、国際保健や開発の分野で議論されている概念をおさえます。健康と平和のつながりについても話し合いました。これらを通し、分析した課題をどう、だれと「変える」ことができるか、またそこでの教育の役割を考えていきます。最後には、そのアクションプランをグループごとに考え、発表しました。なんと、地域で当事者を支えるNPOを結成し、当事者の人たちの自助グループをつくり、そのグループと行政をつなぐ、といったアイディアも!(NPOの名前は、A Piece of Peace!)
さらに、自らが、何のために教育に、開発に関わろうとするのか、それは何のためなのか、も振り返りました。

学生さんは計6名。ガーナ、インドネシア、モンゴル、日本と多様な方たちでした。議論する中で、それぞれの国の状況や課題、取り組みについても自然にやりとりが起こり、そこで大いに盛り上がったりもしました。それもまた、新たな関心をわき起こし、理解を深め、分析の視点を深め広げるプロセスになりました。

コロナが拡大して以降、久々の対面の参加型ワークショップ。オンラインのそれもよいのですが、対面ならではの、体全体で場を共有するからこそ生まれる相互作用は、やはり格別です。

AHIの国際研修の対面での再開が、ますます待ち遠しくなりました。

インドのある女性と赤ちゃんのお話をもとに、赤ちゃんが死んでしまった原因を「でも、なぜ」と問いながら探っていきました。この後、グループで設定した「もっともおいていかれている人(このグループは、日本の工場で働くモンゴルからの移民女性)」のケースで、再度「でも、なぜ 」分析をします。

ユニバーサルヘルスカバレッジについて考えるワークの一場面。それぞれのグループで作った「UHCの箱」をお互いに見合って、質問や「いいね」を表すシール、そして提案の付箋を張り付けていきます。

毎日、気づいたことを振り返る時間を持ちました(スクリーンに表示されているもの)。また司会は日替わりで学生さんが担当しました。写真は、翌日の講義プランを立てているところです。

 

AHI 清水