AHI NEWS

今日、5月18日は「ムリバイカル記憶の日」

写真:2017年2月 スリランカ・ムライティブ県

軍の基地として接収された土地の返還を求めて、基地の前で抗議活動をするタミルの人。

 

5月18日「ムリバイカル記憶の日」を知っていますか? 

5月15日に行われた交流会・学習会(主催:グローバルジャスティス研究会)での

スリランカ人活動家ジュードさんの報告から、シェアします。

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スリランカでは1983年から2009年の26年間、スリランカ政府と

タミル・イスラーム解放のトラ(LTTE)による抗争がありました。

5月18日はスリランカでは国軍がLTTEの勢力圏を制圧したことを

記念する戦勝日とされています。

そして戦闘で死んだ国軍兵を英雄としてたたえ、軍事パレードを行います。

 

かたや、少数派であるタミルの人たちが、

非戦闘員の犠牲者を追悼することは許されていません。

内戦の最後の局面で、タミルの人たちが暮らす北部で激しい戦闘が行われ、

たった数ヶ月で4万人が犠牲となったにも関わらず・・・。

タミルの人たちは5月18日を「ムリバイカル記憶の日」と呼んでいます。

ムリバイカルは北部ムライティブ県にある村の名前で、大規模な虐殺が行われました。

 

2002年、スリランカ政府とLTTEの間に停戦協定が結ばれましたが、

その後の和平プロセスがうまくすすまず、やがて戦闘が再開しました。

スリランカ政府とLTTEの折り合いがつかなかったと言われていますが、

真実は、外国が和平プロセスを妨害したのです。

 

イラク戦争を控えたアメリカとイギリスは、

インド洋の重要な軍事拠点であるスリランカの軍事化をすすめたかったのです。

内戦が始まって以来、次々とタミル人が暮らす北東部に国軍が送り込まれ、

タミル人から土地を取り上げて基地を建設しました。

アメリカ・イギリスは、そんなスリランカ国軍の動きを支援したのです。

 

インドは、国力を増してきた中国をけん制したかったのです。

 

これらの国々にとって、インド洋を平和ゾーンとすることを求めていたLTTEは

邪魔な存在であり、そのため、和平交渉の場から除外したのです。

 

26年に及ぶ内戦の死者は7万人と発表されています。

しかし、市民社会組織の調べでは死者・行方不明者は14万6千人です。

今なお行方不明となっているタミルの人たちに、

何が起きたのか、明らかにされていません。

 

国連人権委員会の、スリランカ内戦に関する決議では、

「タミル人」「虐殺」といった言葉を使っていません。

内戦中に個人に対する人権侵害があったことを認め、非難しているものの、

シンハラ人によるタミル人の迫害があったことを認めていません。

そして今もなお、タミル人への迫害は続いています。

 

タミルの土地の多くは国軍が占拠したままです。

国軍はビジネスを行い、地域経済を支配しようとしています。

 

タミル人のアイデンティティを弱めるために、宗教を利用しています。

考古学調査を行い、この地は古来より仏教徒の地であったとして、

仏教寺院やモニュメントを建てています。

 

その他、あらゆる面で人権が侵害されています。(※)

内戦が終わり、虐殺行為は止まりましたが、

タミル人の民族的アイデンティの虐殺は、今なお続いています。

 

仏教が政治的に利用されることを、世界中の仏教徒は良しとしないはずです。

しかし、この考古学調査には日本も協力しているという事実を、

仏教を介した日本とスリランカの「文化的」交流が

スリランカの非仏教徒の同化政策に利用されている可能性があることを、

日本の皆さんは知っておいてください。

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パレスチナ、アフガニスタン、ミャンマー、ウイグルなど、

世界中で国内紛争がおきています。

しかし各国の思惑によって、国際社会が足並みをそろえて

人びとの権利と生命を守る行動に出ることができずにいます。

 

私たち日本人があまり知らない「ムリバイカル記憶の日」に寄せる

ジュードさんのメッセージから、

平和と公正について考える機会をみなさんと持ちたいと思い、

ご紹介しました。

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(※)内戦後のタミル人の人権状況についての調査報告書を、

スリランカの地元NGO・NAFSO(全国漁民連帯運動)が作成しました。

英語版はオンラインで閲覧できます。

https://www.gfbv.ch/wp-content/uploads/bericht_jaffnafinal_low.pdf

日本語訳(PDFファイル)をお読みになりたいは、AHIまでご連絡ください。

 

職員 髙田

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