ヘルシーライフスタイルプロジェクト(フィリピン)

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プロジェクト対象地域の村で、5年後に、全世帯数の50%以上が生活習慣病の予防と対処方法に関する意識が高まり、生活習慣病罹患率が25%減少することを目指します。

目的

住民、また保健行政の生活習慣病に関する取り組みが高まることによって住民が貧困に陥らず健康的な生活ができるよう住民たちが正しい食生活の知識を身につけ、生活習慣病を予防する行動変化を促す。

背景

生活習慣病が引き起こす貧困・・・

アジアの農村部では、生活習慣病にかかる人々が増加し、健康被害が広がっています。原因は、正しい食生活と生活習慣に関する知識・意識の低さ、それに食の欧米化とファーストフードの流入によって高脂・高糖、高カロリーの飲食物が 安く手に入るようになったからです。
フィリピンでは、日本のように公共保健サービスや健康保険制度が充分に整備されておらず、生活習慣病にかかると、患者は大きな自己負担を強いられます。そして治療のために貧困に陥ってしまう家庭が増えているのです。活動地(ニューコレリア町)でも、主な疾病のトップは高血圧で、 がんや糖尿病もトップ10に入っています。

活動(事業)内容

1. 生活習慣病に関する研修教材づくり
教材やポスターは、既存の教材や資料を基に、現地語に訳し 村人が理解しやすいように工夫を加えて作成しています。
2. 村レベルでのヘルシーライフスタイル推進ボランティアの育成/ボランティアによる村人への教育活動
保健専門家だけでなく、村人主体の予防活動として広めるために、 各村に推進ボランティアを育成し、
村の集会などで講習を行います。
3. 健康フェスタの開催
より多くの住民の参加を促すため、毎年健康フェスタを開催します。
4. 体重、身長、腹囲、血圧の計量と、食生活、飲酒、喫煙に関する調査
活動の成果を図るために、測定や聞き取り調査を行い、進展をモニターします。
5. 生活習慣病予防活動を保健行政活動に組み入れるための村や町行政への働きかけ
本来は、保健行政がカバーすべき活動なのですが、まだ農村部では優先順位が低く、予算措置も限られているのが現状です。このプロジェクトでは、住民による生活習慣病予防活動の試みを行い、基本となるプログラムを作っています。そして、この経験をもとに町・村行政に提言し、
予算措置や活動地域の拡大をめざしています。

AHIの役割

●地元NGO ANAK-NCが主体となって持続的な取り組みがなされるように、活動運営能力の強化やANAK-NCが行う行政への提言活動をサポートします。
●定期的な現場訪問、活動の方向性や運営に関する助言、日本や他国での取り組みを紹介します。
●国際研修などに招いて中核になる人を育成します。 やってきたことを記録して広く共有することを促します。プロジェクト資金支援者へ報告し、日本とフィリピン(支援側と受け手側)を同世代の共通課題でつなぎます。

支援者の声

東海理化は、AHIさんが推進している「ヘルシーライフスタイルプロモーション活動」を応援しています。弊社では、社員の健康推進と国際貢献を目的とした「チャリティー・ヘルシーメニュー」というしくみを作り、食堂で、ヘルシーメニューを喫食すると代金に寄付金10円が含まれており、会社がまとめてAHIさんへ寄付します。
他にも同様な活動として直接食料を提供する活動もありましたが、弊社は「人々の健康を守るために活動する現地の保健ワーカーを育成する」というAHIさんの考え方に共感し、2009年8月から継続して応援しています。
この活動は、AHIの会員の皆様の会費や寄付に加え、株式会社東海理化の社員食堂のヘルシーメニュー代金の一部(一品につき10円)によって支えられて活動を進めています。ヘルシーメニューは主菜にセットする形でとります。