おひとり様を考える

先ほど、市内にお住まいのAさん宅にお邪魔して
ご寄付を頂戴してきました。
長くお支えくださっているAさんですが、
年齢を重ねて、免許を返上され、
AHIにも、郵便局にも行くのが難しくなったとのこと。
クルマなら、すぐの距離ですが、
それでも「呼びつける」感じになるのを
とても気にされて、何度もそのことを
申し訳ないとおっしゃてくださいます。
 
それでも、ご自分の中の葛藤を超えて、
AHIにご寄付をしてくださるのは
小学生で迎えた終戦の時、アメリカからのLALA物資が
とてもありがたかったので、その恩返しをしたいと
思ってのことだそうです。
 
Aさんは長く会計事務所にお勤めで、
その時にいろんなマナーを学ばれたそうです。
その基準からすると、AHI職員の私たちは
あれこれ気づかないことも多くあって、
そんなことを、いつもがんばって伝えてくださいます。
言いにくいことを言う事の大変さを乗り越えて、
関係を作ろうとしてくださるそのことに、
敬意を感じています。
 
しばらく前に、阿智村で上野千鶴子さんの講演会を
お聞きしました。
「一日3食365日の配食サービスと、いろんなサービスを手配してくれる
司令塔がいてくれれれば、認知症になってもおひとり様で
生きていける」
それ自体もまだできている自治体はわずかですが、
それ以前に、いきがいをもって、おひとり様を生きるために
自分の中の、譲ってもよいこと、譲れないことを明確にし、
どう人とつながっていくのか、いきたいのか。
歩きにくくなった場合、耳が聞こえにくくなった場合、
目が見えにくくなった場合、心が弱くなった場合にはどうするのか。
 
そういったあれこれを心配しだしたら、
きりがありませんが、Aさんのように毅然と
大切なことを大切にするために、
自分のうちにあるものを、整理しておきたいと
心から思いました。
 
職員はさだ