モンゴル見聞録④ 草原に育つ少年

 
私が初めてモンゴルに出会ったのは、絵本「ス―ホーの白い馬」。
ストーリが切なくて忘れがたいだけでなく、赤羽 末吉さんの絵もステキです。
素朴でありながら、力強さを秘めています。
 
ウブルハンガイ県でス―ホーを彷彿とさせる少年に出会いました。
少年は普段、学校に通うために町のはずれに暮らしていますが、
夏休み中は家族とともに遊牧に出て、家畜の世話を手伝います。

日に焼けた肌と赤いほっぺ。仕事をよく手伝っているんでしょうね。ジャケットと長靴を着こなしています!


ゲルの中では初対面の人を前にして恥かしかったのか、
お祖父さんの後ろに隠れるようにしていたけど、
お母さんが「お客さんに馬をみせてあげなさい」と声をかけられると、
さっと外に出て行きました。
 
私がカメラを掴んで帽子をかぶってゲルの外に出ると、
少年はすでに馬にまたがっていて、私を認めるとすぐに馬を駆けさせてみせてくれました。
さっきまでとは打って変わって、のびのびと、堂々としています。
自分よりも自分の馬をみてほしいという感じが好ましく、
真っすぐな心根のス―ホーを思いださせました。

ウランバートル市に暮らす若者や子どもの中には、馬に乗ることができない人もいます。
少年にはモンゴルの伝統を受け継いでいってもしい。彼が望むなら。
 
職員 髙田

お祖父さんの馬は、白い馬